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記憶に残る本

今日も本の話。

今まで人よりもちょっと多くの本を読んで来た。
その中でも、一番多く読んだのが高校生2年生の時ではないか。
ほぼ、毎日1冊以上の本を読んでいた。
ただ、何を読んだのかまったく覚えていない。
まったく覚えていないけれど、一つだけ自分に刻まれていることがある。

それは、めがねが友だちになったこと。

高校2年生まで視力検査をすると1.5〜2.0あり、人生でめがねにお世話になるのは、
「老眼鏡しかない」
とずっと思っていた。
それが、高校3年生の身体測定で、味わった屈辱。
視力検査の表を一番したから順番に
「わかりません」
っていうあの時の思い。
本を読んだことがなにか残っていればもう少し救われたかもしれないであるが…。

そんな僕が、なぜか妙に記憶に残っている本がある。

「愛をひっかけるための釘-淡交社/中島らも」

文字を目から脳みそに流し込み、脳みそを洗い流すような読み方をしているので、記憶として定着していない僕の脳みそだが、不思議とこの本を、いつ、どこで、どんな気分で読んだのかというは鮮明に思い出せる。

いつから中島らもが好きになったのかは、わからないのであるが、中学生の頃にはもう読んでいた。
新聞の明るい悩み相談室も好きだった。
らもさんの空気に出会いたくて、「リリパットアーミー」も見に行ったし、「いけない落語会」というのも行った。
今でも、ときどき読んでいるし、カナダに行った時にも、日本語が恋しくならないように
「バンド・オブ・ザ・ナイト」
という、日本語になっていない言葉の羅列で脳みそを洗うような本を持って行ったくらいだから、相当好きな作家の一人であるということは言える。

で、「愛を・・」の話の続きであるが、読んでいた状況や気持ちは覚えているのだが、

「内容は?」

と問われると

「???」

まったく覚えていない。

でも、

「よかった本だった」

という記憶がある。

で、先日、駅の近くの本屋で待ち合わせをしている時にふと、文庫本になっている「愛を・・・」を見つけたので購入し読み返したのである。
さてその感想は、

「また、まったく内容を覚えていない」

ちょっと前に読んだはずなのに・・・。
ただ、待ち合わせの空気や、本を探している時の様子。
本を読んでいる感覚だけはちゃんと覚えている。
きっとこの本は、本の中身ではなく、自分のその時の気持ちをひっかけてくれる本なんだろうと思う。

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